注意 ご紹介作品はそれには該当致しませんが、続篇には年齢制限のある
作品もございますので、その年齢に達していない方はご閲覧をお控えくださいませ。
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STORY :紺野晃&久川エリカ。
双子の弟、龍太の代わりに1日だけ男子校に行くことになったエリカは、
そこで一番会いたくない男に出会って……
――作者さまによる作品紹介文より
作品のご紹介&感想
このところ、すっかり、新館を放りっぱなしにしてしまいましたので、その反省も兼ねまして、バレンタインシーズンにふさわしい、スウィートな学園モノを、今月は何作か、ご紹介してゆきたいと思います。スウィートとは甘いではなく、(まあ、甘い要素もありますが)今回はかわゆいという意味に訳していただければと、はい。私的には、これぞ正調少女漫画の世界ともいうべき、乙女チックで(死語になっていない?今でも使える?)かわゆい学園恋愛作品をご紹介させていただきたいと思います。バレンタインまであと一週間しかございませんので、特集とは名ばかりで、バレンタインには間に合わない怖れが多分にございますが、お許しあれ!
本編は、作者さまが大好きだとおっしゃる「とりかえばや」モノであります。「とりかえばや」モノとはつまりあれです、やんごとなき生まれの男女の双子が、よんどころのない事情から、その性別を入れ替わり、姫が若君として、若君が姫として世を欺いてしまったが故のテンヤワンヤの平安の物語をその呼称のルーツとしております。シェークスピアの十二夜も、これと同じ系統でして、こうした設定は、洋の東西、古今を問わず、小説家のイマジネーションを刺激するようであります。もちろん、読者にとってもその興味をそそるわけでして、はい、おっもしろいですよぉ、本編も!
ヒロインのエリカは、双子の弟のたっての頼みを断りきれずに、ある日、嫌々彼の通う男子校に潜入?することになります。実は、彼女が弟に成りすますのは今回が二回目。高校入試の日も、高熱を出した彼の代わりに、彼女が受験したのですが、それがそもそもの物語の発端だったりします。さて、ばれやしないかと、びくびくどきどきのそんな彼女に妙に馴れ馴れしく声をかけてきたのが、本編のヒーロー紺野なのですが、彼女は彼が大の苦手。苦手というよりも恐怖しております。それもそのはず、なにしろ、一ヶ月前、彼女は突然、彼から殴られて神社の階段から転げ落ちてしまったのですから。
ヒロインを理由も告げずに突然なぐるという、この恋愛作品のヒーローにあるまじき暴挙に及んだ彼の言動は、彼女からすれば、実に、意味不明かつ挙動不審であります。もちろんそれは、殴った理由も含めて、おいおい明らかにされてゆきますし、彼女にとっては意味不明な言動でも、読者にとってはそうではなく、充分に予想はつくのですが、わかっていても面白かったです。
とにかく、もし私メが母親であれば、殴ったその後の行動も言動も含めて、一発ならず、殴り倒してから、厳しく説教してやろうかしらんと思うこのヒーローなのでありますが、それはそれとして、なんと申しますか、彼は、ガタイも態度もデカイのに、その内面にナイーブでチキンな臆病さを持つ少年として描かれておりまして、そこが実にリアリティがありました。ヒロインは大変魅力的な少女でありましたが、この年頃ってそうだようなあと妙に納得してしまったのは、彼女よりも、幼く愚かな行いをしでかしたヒーローにだったかもしれません。
恋愛作品のヒーローとしてのドリーム、ツボもしっかり抑えながら、同時に年相応の少年としての不器用さ臆病さを抱えた彼だからこそ、私にとっては実に愛しく思えたヒーローでありました。そんな彼でありますから、彼らの恋も実にまどろっこしくも、じれったく、そしてまた、それだからこそ、愛しい恋の物語であります。
ヒロイン視点の文章はとても明るく軽妙で、読んでいてとても楽しかったです。物語の時系列を示す語句に少しだけ首を傾げる部分もありますが、流れとしては、受検⇒怪我⇒手紙⇒再会となりますので、細かい部分は気になさらず、スルーしてお楽しみくださいませ~【小説】⇒【長編】⇒【咲かない花】とお進みください。
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