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秋に読みたい大人のメルヘン特集ヘ秋に読みたい大人のメルヘン特集 Ⅰ ~
秋に読みたい大人のメルヘン特集ヘ

 SITE NAME : I’ErreuR  http://erreur.blog42.fc2.com/

 SITE MASTER : こ れ ゆ き 様

 STORY :

『 傾 国 』
むかし銀漆の髪持つ乙女がひとり
いくさ敗れた小国から連れられて
ちから権勢並ぶものなき宰相の
いとしむものになりました       

 ――傾国と呼ばれる美しいむすめのものがたり

『 螺旋階段 』
「百日の間、一日も欠かさずにこちらへ参られて下さいまし。
たとえ何があろうとも、決してお休みになられずに。
わたくしはその百日目に、あなたの剣に祝福を捧げましょう。」
――高き塔に住まう姫に恋した騎士のものがたり

――本編より一部抜粋


 作品のご紹介&感想


本館で現在開催中の『秋の夜に読みたい大人のメルヘン特集』、実は当初、この作品もその中でご紹介するつもりでおりました。けれども記事を書き上げたところで、作品の雰囲気からすれば新館の方がふさわしいことに気づき、急遽、こちらでのご紹介とさせていただきました。ついでといっては何ですが、せっかくですからメルヘン特集、新館でも始めてしまおうと思います。大人が楽しめるメルヘン風の作品であっても、あまりエロティックな雰囲気がない作品をこちらでピックアップしてまいります。

ご紹介の二つの作品は、歌物語とでも名づけたくなるような風情があります。きれいなソプラノで楽の音にあわせながら語る(謡う?)のがふさわしいような物語。同時に、美しい絵を添えて、絵本として装丁したくなるような物語です。短いながら、否、短いからこそ音楽と絵を感じさせる作品なのです。

両作品とも、詩的ではあっても、特別に韻を踏んでいるわけでもないようですが、それでも音の美しさを感じました。読んでいて、不愉快な詰りを感じない、この快適さ!言葉の、特にその音韻に関するセンスがイイ作者さまなのだと思います。リズムとテンポがよく、用いられているのは平易な言葉でありながら、情感があり、余韻が深く、物語に引き込まれてしまうのを邪魔するものがありません。

『 傾国 』
視覚的なイメージも意識なさった作品のようです。物語は、さながら四行詩のように、きれいに長さをそろえた四行でまとめながら進んでいきます。読者はその連をおうごとに、この歌のような、絵のような物語の世界に、引き込まれてしまいます。亡国の美しい女奴隷と、彼女を寵愛する王と宰相。美しい一人の女をめぐる二人の男の対峙と国の興亡。短いこの歌物語の中には、ドラマティックでロマンティックなストーリーが凝縮されていました。明るく美しいばかりではなく棘や謎も秘めた物語ですが、それでもこの物語が私メに感じさせるのは柔らかで淡彩な色調の絵であることに変わりはありません。

『 螺旋階段 』
深草の少将と小町の百夜通いがモチーフでありましょう。高い塔の一番上の部屋に住む、美しい姫君に求愛する騎士。その愛を受け入れる条件として姫君は、騎士に100日の間、この塔の部屋まで訪なうことを求めます。部屋に至るまで続くのは長い長い螺旋階段。作中繰り返されるフレーズは、毎日毎日塔へ通い、その螺旋階段を一段一段昇る騎士の姿を絵として読者にイメージさせずにはいられません。平安の昔、美しく恋多き女だったからこそ男の不実さをよく知っていた小町は、少将に百夜を通わせることで彼の誠実と自分への思いを推し量ろうとしたとされています。さて、100日を通わせることで、この姫君が計ろうとしたのは何だったのか。また、この騎士が果たしてその100日を無事迎えることができたのか。それはお読みになってからのお楽しみです。

【目次】から【もう一つの童話】 へとお進みください。両作品ともそちらで読むことができます。

★本館で開催中 『秋の夜に読みたい大人のメルヘン特集 』 はこちら から

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