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 SITE NAME : More than words http://www4.ocn.ne.jp/~pakira/sub7.htm 

 SITE MASTER : 河東 悠美 さま

 STORY :
好きなんだから仕方ない――真面目な副委員長の里奈は、がきんちょ扱いしかしてくれない7才年上の家庭教師に真面目に片思いなんかしている。そんな里奈を気にしている委員長なんかもいたりする青春物語。


 作品のご紹介&感想


年上の家庭教師に恋をするヒロイン。そしてそのヒロインに恋をしている同級生や彼を慕うヒロインの友人など、少女漫画の王道ベタの世界といってよいかと思いますが、とにかくおもしろいです。ベタであろうが王道だろうが、否、ベタで王道であるからこそ、力量のある作者さまが描いてくださると、その面白さがマックスになるのだという見本のような作品です。

リズムがある軽妙な文章ですので、とても読みやすく長編であるにも関わらずさくさく読めます。ノリとテンポがよい短めで簡潔な文章で綴られるヒロイン視点のシリーズ初作は、まるで「B.Jの日記」のような雰囲気があり、時に切なく、時におとぼけなヒロインは魅力的ですし、彼女が語るその物語もまたとても面白く、読者はすぐに物語に引き込まれてしまいます。物語が進むに連れて、視点の主は変わっていくのですが、作品の面白さと魅力は失速することはなく、むしろ倍加してゆきます。

ヒロインはじめ登場するキャラたちがとても魅力的です。それは元々の性格設定もさることながら、その内面をとても丁寧に自然に描かれた作者さまの説得力がある筆力ゆえであると思われます。細やかで自然な心情描写によって、読者はキャラへの理解と共感を深め、いつの間にか若い彼らと彼らが紡ぐこの物語に引き込まれてゆきます。私メの愛する少女漫画的なお約束事は満載の恋愛作品ですが、成長を模索するこの時期の若者特有の心の揺らぎや痛み、悩みなども丁寧に、けれども決して重すぎることなく描かれ、青春作品としても楽しめました。

ヒロインの家庭教師は、この物語では、一番の大人として描かれています。彼に恋するヒロインは、彼を慕いながらも、彼と自分との間に超えることのできないライン、大人と子どもの境界線を感じ続けます。彼が大人であるからこそ、ヒロインは彼を恋慕い、そのラインがあるからこそ、自分は彼にとって対等とはなりえず、また自分が恋愛の対象とはなりえない事を、子どもではあっても賢い彼女は悟っています。愛があるなら年の差なんて―名言ではありますが、その言葉は万能ではなく、年齢差ゆえに対等な関係―恋愛関係にはなり難いというは明らかな事実です。年齢差のあるカップルの恋愛作品の醍醐味の一つはこのラインを、どちらからどのように超えていくかにあると思うのですが、線引きそのものを、これほど丁寧、そして明確に描かれた作品はお目にかかったことがありません。彼女の心情を思えば、この線引きは切なくはあるのですが、それ以上にとても説得力があり、この恋愛作品をドリームだけではないとてもリアリティがある作品にしています。

家庭教師の青年との年齢差、大人と子どもとの違いを痛感するのはヒロインだけではありません。彼女に恋する学園の王子もまた、ことあるごとに、自身と、ヒロインの信頼厚い彼との差、人間としての成熟度の違いを思い知らされます。整いすぎた大人っぽい外見とは裏腹に、彼の内面は等身大の少年のそれであり、未熟な自分を持て余しては懊悩するのですが、それは大人の男性にはない瑞々しい少年らしさとして、ヒロインはともかく、読者(私メ)にはとても魅力的に思えました。かなり短気で不器用な少年は、それでも一途にヒロインを恋し続け、その甲斐あってか一時は二人の距離も縮まっていくのですが、起伏に富んだこの物語は、そうそう簡単に彼の恋を実らせてはくれません。少年に肩入れした私メは、これぞ王道少女漫画的とも言えるじれじれやきもきを眼イッパイ楽しませていただきました。

本編では脇役であったヒロインの親友を主役にしたスピンオフ作品は、オンノベの世界では稀有なことですが、本編の二番煎じでも、焼き直しでもない全く新しい別の新しい魅力的な作品になっています。(そのことだけでも、この作者さまのご力量が伺えるというものです!)更新が滞っているのが残念ですが、そちらもオススメでございます。


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