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 SITE NAME : 傾 城 の 花 http://haruhi.fc2web.com/keisei/

 SITE MSTER : 菜 秀 さま

 STORY :
今、まさに滅びようとしている大国陽香。皇帝は既に斃れ、太子は敵に屈して自ら討たれた。皇子たちの多くもすでに鬼籍に入り、まだ命のある皇子たちも、遠からず父帝や兄太子と運命を同じくするのは避けられず、主を失った後宮では皇后と主だった妃が皇帝に殉じていた。傲慢な勝者は、陽香の男子皇族のことごとくを屠るだけでは飽き足らず、降伏の証として、美貌で名高い3人の公主のうち、一人を人質として献ずることを求めてきた。勝者の傲慢に、一番年若く、一番優れ、そして最も高貴な公主は、自らが赴くことを決心する。行かせまいとする姉たちに彼女はその真意を静かに告げる。
「わたくしは、慰み者になるためにかの国へ参るわけではありません」
人質として敵国へ渡れば、いずれは勝者の褥に侍らされることになるのは明らか。敵の褥に侍りながら時が満ちるのを待ち、そしてやがては、褥の主を討つつもりだという―すなわち暗殺。それは公主としてのありきたりの教育しか受けてこなかった姉たちにできるはずはなく、国の名を冠し、太子と同じ教育を受けてきたこの特別な公主にしか果たせないことだった。三人の公主が繰り広げる異世界歴史ファンタジー。


 作品のご紹介&感想


オンラインファンタジー、名作中の名作のご紹介でございます。ネットの海で、オンライン作品を探訪している間、私メは、さまざまなビックリ仰天、そして目から鱗が剥がれ落ちるような思いを味わって参りました。こちらの作品との出会いも、まさにそれでありました。作品のおもしろさ、そして、その余りの完成度の高さに、興奮と感動を持て余し、思わず作者さまへ感想のメールを送らせていただいたほどでございます。確か、それは、ファンタジー作品に対して、私が初めて送ったファンレターだったと思います。もしかしたら、ファンタジー、非ファンタジーを共通じて初めての感想メールだったかもしれません。とにかく、それくらい、感動した作品です。

昔から歴史モノは大好物だった私メでありますが、十代、二十代は、もっぱら日本や欧米の歴史を扱った作品ばかり読んで参りました。中国を題材とした作品に接したのは随分後になってからでありますが、読み始めた途端、あっと言う間にはまったのをよく覚えております。なにしろ歴史の厚みが違うもので、今までほとんど馴染みもなく、名前さえ知らなかった人物のドラマのおもしろいことおもしろいこと、本当に夢中になりました。劇的な人生を生きた英雄や美姫を描いた作品群は、ストーリーを追うだけでも充分おもしろいのですが、加えて私が、シビレたのは、中国歴史作品に共通する、独特の文体です。おそらく、原典を読み込んだに違いない作者の、高い漢文的な能力とセンスゆえではないかと思うのですが、漢詩を思わせる、その背筋がピンと伸びたようなストイックな文章は、無駄がなく簡潔で客観的。情緒と感情表現は抑制され、劇的なシーンも作中人物の心情も、短く端的に核心を突く冷静な文章で語られ、だからこそ際立ち、深く強く読者に響く。そのアンバランスの妙ともいえる魅力に私はすっかりはまってしまったのです。

そして、それら出版された中国歴史作品に通じる文章の魅力、それと同じものをこの作品に感じたからこそ、私はびっくりしたのです。それは作品を読みはじめて直ぐに、えっ?あれぇ?何?もしかして…?わお~!スゴイ、スゴイ!オンノベなのに、タダなのに!きゃぁ~♪とまあ、心中狂喜しながら読み進んだわけでございます。特に物語の冒頭、落城最中のシーンから始まる序章は最高です。ファンタジー、つまり全くの空想創作であるとは思えないほどの迫力と説得力があるのです。本当に、まるで、中国の格調高い歴史作品の原典を訳したかのような雰囲気があるのです。とにかく私は、序章を読んだだけで、この作品世界にあっと言う間に引きずりこまれてしまいました。そして、この作品の魅力は文章だけではありません。見事なストーリーメーキングはそのまま読者を放さず、その吸引力と牽引力は物語の最後まで衰えることはありませんでした。

三人の公主、それぞれが魅力的で個性的ですが、やはり私としてはこの敵国へ赴いた末の公主に肩入れしてしまいました。彼女は敵国の王太子の寵を受ける身となるのですが、実は密かに相愛の恋人がいたのです。時として彼女は、恋人への恋慕に揺れ、またある時は、王太子への複雑な心情ゆえに、懊悩するのですが、常が毅然としている印象だけに、その姿はいっそう切なくてやるせなくて、とてもヨカッタです。彼女は姉妹の中で、最も過酷とも言える運命に陥るのですが、それが何であるかは読んでからのお楽しみであります。

公主たちの故国は中華風、そして敵国は中世欧州風の国です。ネーミングだけがそれではなく、作者さまは国情や人種、風俗の違いまでも丁寧に書き分けられておられます。それらは、この物語全体の説得力とリアリティを加味し、だからこそ私は一層この物語を楽しむことができました。主役の三人以外にも味のある魅力的なキャラが多く登場します。屈折した王太子は非常に私メの好みでしたが、平均すれば、女性陣の方が光っていたような気が致します。寵を争う王太子の側室が、公主に敵愾心を見せながらも、ステレオタイプのありきたりな恋敵として作者さまが描かれなかったのは、とても印象的でしたし、姉公主が、友情を結ぶことになる隣国の王女やその母である女王もとても個性的です。いずれも強烈な個性を持たせながらも、不自然さを感じさせない作者さまの人物描写は巧みであり、説得力がありました。

落城の日、別れた三人が、生きて再び会い見える日はくるのか―、くるとすればその日、彼女たちは何を思うのか――。物語が展開するにつれ、三人の公主の運命は変転していき、読者は最後まで目を離せません。恋愛要素もありますが、舞台となる世界、時代の背景、設定がきちんと描かれた作品ですので、戦記モノの歴史ファンタジーとしても大変おもしろいです。


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